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〈マリア様がみてる・シリーズ〉のコバルト文庫新刊『マリア様がみてる・ステップ』について。 [『マリア様がみてる』について……]
さて、作者及び出版社の思惑が、どの様になっているのかは分かりませんが、今回の〈マリア様がみてる・シリーズ〉の新刊。
『マリア様がみてる・ステップ』は、明らかに表紙及び背表紙のタイトル表示が、まるでこの作品のタイトルが「単独の」《マリア様がみてる 》で有るかの如く印象を与える、デザイン・レイアウトになっています。

マリア様がみてる ステップ (マリア様がみてるシリーズ) (コバルト文庫)
- 作者: 今野 緒雪
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/12/28
- メディア: 文庫
表紙もこの通りで、かなり問題の余地有り!かと、思います。
そもそも、このシリーズにはどこにも《通巻番号》がないのですから、実際後から読もうとする人はどこから読んでいいのやら、非常に分かり辛くなっています。基本的に、少女マンガや女性マンガのコッミックスにも同じ傾向があります。さらに、《18禁・成人指定》のコミックスにも……。
理由はこれらの読者が、通巻で長く続いている作品を途中から読むのを、躊躇う傾向がある為だと思われます。特に、少年マンガや青年マンガ、あるいは有名作家の長編シリーズなどを除くと、かなりのマンガやライトノベル、あるいは少女小説系の本に通し番号がありません。
それでもまだ、〈~シリーズ〉とあれば良心的な方で、困ったものになると中身を読むまで、〈続き物〉だと分からない場合も、珍しくありません。
ただ、だからと言ってこの〈マリア様がみてる・シリーズ〉程、知られている作品まで、こう言う事をするのはどうかと思います。
いわゆる、これまでの《福沢祐巳》と言うキャラクターを中心にした、いわば現代が舞台の「平成版」とも言えるシリーズとは、異なる新たな物語……。と言う事で、敢えて改めて《マリア様がみてる》という、共通項を強調したかったのかも知れませんが、これは明らかにやりすぎだと思います。
飽くまでも外伝とか、~版や~編など、これまでのシリーズとは一線を画すという「表現の配慮」は、必要だと思います。
内容が悪く無いだけに、見方によっては!非常に印象悪く、受け取られても致し方ない気がします。
なお、内容と言いシリーズの展開と言い、以前から申し上げているように、圧倒的に人気だった元祖〈マリア様がみてる・シリーズ〉も含めて、もっと大きな枠組みで《リリアン女学園物語》とする事を、個人的に強く推奨しています。
★と言う訳で、ネタバレ込みの内容に関してです!続きは御注意下さい★
と言う訳で、本格的に内容に入る前に、恨み言の続きです!
表紙は、まだ許せます(?)が、絶対に納得が行かないのが、この背表紙です!!

ここまで拡大して、辛うじて「ステップ」と言う副題?が読みとれます。
ですがもしこれが、棚に差し込まれていたら元祖《マリア様がみてる・シリーズ》の記念すべき第1作、その名もズバリ『マリア様がみてる』と勘違いした!と言われても、仕方が無いと思います。個人的な意見ですが、明らかに〈メイン・タイトル〉と、〈シリーズ・タイトル〉が入れ替わっているとしか、思えません!
さて、このような表紙の上でのタイトルの問題を除くと、今回の『ステップ』には、本編と同時にさらに表紙の下にまで趣向が凝らしてあります。
確実に全ての作品の表紙カバーを取り除いた訳では無いので、あるいはこれが始めてでは無いのかも知れません!が、知る限りでは始めてです。

マリア様がみてる ステップ (マリア様がみてるシリーズ) (コバルト文庫)
- 作者: 今野 緒雪
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/12/28
- メディア: 文庫
カバーを外すと、こちらのような別の絵が姿を現します。
何とこの絵は、このまま裏表紙にまで続いて、今回の物語のテーマを見事に暗示する構図になっています。このような仕掛けは、少年マンガや青年マンガのコミックスでは、比較的良く見られる手法です。
特に、『エンデンズ・ボウイ』などで有名なマンガ家天王寺きつね氏が、表紙カバーの裏にまで凝った「オマケ・イラスト」を付ける事で、知られています。また、今回約1年間の長期休載に入って、心配されている〈ひぐちアサ〉氏の傑作マンガ『大きく振りかぶって』などは、表紙カバーを外した表と裏表紙に、本編と連動する番外編的なオマケ・マンガを、各巻に毎回描かれています。

ヱデンズ ボゥイ (20) (角川コミックス・エース 5-20)
- 作者: 天王寺 きつね
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/11/26
- メディア: コミック
と言う訳で、カバーのタイトルやその下に描かれているイラストの事は、この辺にして内容です。
要は、『リリアン女学園物語』の、昭和編と言うところでしょう。
しかし64年も続いた昭和の、どの辺か?と言うと問題があるのですが、もの凄く簡潔に言ってしまえば「祐巳や容子様の母親達が通っていた頃」でしょう。その為、当然のように元祖「マリみて・シリーズ」の関係者も、大いに登場いたしますので、元祖のシリーズ・ファンにも、充分楽しめる内容となっていると思います。
同時に、始めてこのシリーズを読まれる方にも、問題の無い物語内容になっているところは、この作者の非凡なところだと思います。
また今回は、物語構成にも趣向を凝らし、まさに表紙カバーの下から現れる、隠しイラストのような構造になっているところが、大きなポイントだと思います。
どうも、この作者はこういう構成が好きなようで、これまでも度々このような形式に近い事はやっていましたが、今回ほど最初から最後まで、その構成で押し切ったのは初めてだと思います。力のある作家と言う事は既に充分承知していましたが、また改めてその実力を垣間見た気がします。
と、これほど誉めるのも、この物語が最近のライトノベルとは明らかに一線を画して、ある種古き良き《少女向けジュビナイル小説》あるいは、そのものズバリの《少女小説》とも言える、内容になっているからです。しかも、言葉の選び方や話しの区切り方は、現代のライトノベルに近いものがあって、明らかに読みやすく(元祖「マリみて」ですら、時々読み難い部分がありました)内容が、かなり深刻?にも関わらず、軽く読み流せるところは、もはや独壇場的な雰囲気があります。
そして、重く深刻になりかけた話しを、土壇場で軽くライトな予定調和の方向へ持って行ったのは、正解だと思います。
但しこの展開と、軽くライトに読み流せる内容への方向転換は、雰囲気的に近い〈少女小説〉の氷室冴子氏の初期の作品に近い感じもありましたが、最後の土壇場で軽く明るい方向へも手いた事には、異論が出るかも知れません。いわゆる少女心理の掘り下げとまでは行かずに、明らかに現在のライトノベル的な予定調和の方向へと持って行った事は、いかにも現代の若い作家的で好感を持ちます。
ただ、それを好まない人がいても、それは大いに納得します。
最終的には、表紙のタイトルの問題にもあるように、元祖「マリみて」の枠組みを使いながら、まったく異なる話を作っている事の、是非は問われるかも知れません。
何よりも、『リリアン女学園物語』化する事により、時代や現実の背景的束縛から、解き放たれて自由に物語が展開できる点は、ある種非常に都合の良い設定だと言えます。過去であろうと現代であろうと、現実に足を付けてもがく少女達の、心身の問題を語る事に比べると、明らかに安上がり的な、印象を持たれてしまう可能性は否定できません。
またそうだと指摘されても、弁護は難しいと思います。
ただ、現在のライトノベルが、もっと大胆な御都合主義で、構成されているのに対して、長いシリーズ化の裏付けがあるとは言え、『リリアン女学園』という過去から現在、そして未来へと続くと思われる。そもそも、そんな存在が今時ありか?という、ある種ファンタジーに近いと言っても良い、荒唐無稽で非現実的な世界が、学校という日常の中で既に成立している!事による、堅牢な舞台設定が構築されている強味は、物語の背景や人物描写に対する、大きな手助けになっている事も、否定できません。
常に一番冒頭に、必ず掲げられている前書き。
「~ゆっくりと歩くのが、ここでのたしなみ。私立リリアン女学園……ここは、乙女の園~」さすがに、細部は色々と変化していますが、この前書きがある限りいつの時代の、どんな人物の話だろうと文句は言わさない!
この不動の世界観を、最初に作り上げたのが、やはり最後は結局一番大きなポイントだと、思います。
それでは、これでごきげんよう。
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マリア様がみてる ステップ 感想(独裁switch。 2011-03-11 12:31)
評価:★★★★ 久々マリみて! コバルトのHPでこの百合っぽい表紙絵を初めて見た時から実は密かにドキドキニヤニヤしてましたw とはいえ、読んでみれば「いばらの森」的な危うい雰囲気は全くなく、実に爽やかな読了感のお話でした。 親友同士の二人の片方に恋人が出来た事が明らかになったのがきっ…[続く]
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凌辱行為の名の下、あらゆる性愛表現が規制出来る事は、自明の理です。汗が唾液が体液が飛び散る、ドロドロ・ベタベタした表現はダメで、爽やかに心地良く何事もなかったかのような、表現のみが許されるとしたら、それらは作り手に「嘘を作れ!嫌ならその場面は作るな!!」と命じているのと同じです。
作り手の自由を縛る……これは、日本が世界に誇る文化と、一大輸出産業を死滅させる秒読みと、なるでしょう。












HINAKAです。
moe様
御訪問いただいた上に、nice!まで入れていただき、本当にありがとうございます。
是非また、お越し下さい。
お待ちしております。
by HINAKA (2011-01-24 08:28)
Web拍手&メールありがとう御座いましたm(__)m
すごく嬉しかったです。
是非またお越し下さいm(__)m
私もまた訪問させて頂きます。
by あいか5drr (2011-01-24 23:42)
HINAKAです。
あいか5drr様
大変嬉しいお言葉、感謝いたします。
ただ余り、不用意に誉めると、図に乗ってえらく長い感想を書き込まれますから、注意して下さい。短くまとめる力量が、足りないのですよ!
それではこちらこそ、また御訪問させていただきます。
by HINAKA (2011-01-25 01:26)
HINAKAです。
無料レポートマン様
nice!を、ありがとうございます。
ただ、そちらのブログと御訪問の主旨が、分かりかねています。こちらのブログ記事を、御紹介いただけると、言う事なのでしょうか?
一言いただけると、助かります。
それでは、これで失礼致します。
by HINAKA (2011-01-25 14:18)
HINAKAです。
うっちー様
御訪問、ありがとうございます。
また是非、お立ち寄り下さい。
お待ちしています。
by HINAKA (2011-01-27 11:37)
ごきげんよう、こんにちは!
遅ればせながらようやく読めましたので、TBさせて頂きました~。
カバー下なんて全く気付いてませんでしたよ…!あとで確認してみますっ!
内容が良いだけに、新規読者に対する配慮はやはり考えさせられるところですねぇ…。
by ナノ (2011-03-11 12:38)