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劇場版アニメ『空(から)の境界』シリーズについて、「俯瞰風景」~「忘却録音」まで。 [気になるアニメについて]



やっとレンタルできたので、劇場用アニメ『空(から)の境界』6部作を見る事が、出来ました。
実は実際には、最終の第7作が残っているのですが、そのレンタル店では6作目の『忘却録音』で、自己完結(シリーズ最終回扱い)していたので、果たして7作目真の最終話『終章/空の境界』を見る事が出来るのかどうか、大いに不安ですのでここらで、ちょっと話題にさせていただきます。

実はこの記事のキッカケは些細な事で、知り合いとの「最近の劇場用アニメは短い」との会話から、「そうだよねェ~、短いのは45分位だったりするから、何の為の《劇場用・映画版》だか、分から無いよねェ~」という話をしたところ、猛反発を受けました。
「そんなバカな!1時間足らずの作品が劇場用の訳無いじゃないか!?」確かに、もっともな話しですが事実あるのだという事で、例に上げたのがこの《空の境界シリーズ》です。
もちろん、他の作品との抱き合わせなどで、2本(複数作品)で1つの観賞券という扱いでない事は、御存じの通りです。




封切り日

俯瞰風景   :2007年12月01日
殺人考察(前):2007年12月29日
痛覚残留   :2008年02月09日
伽藍の洞   :2008年05月24日
矛盾螺旋   :2008年08月16日
忘却録音   :2008年12月20日
Remix     :2009年03月14日
殺人考察(後):2009年08月08日
終章/
空の境界   :2010年12月18日


上映時間

第1作・俯瞰風景   :49分
第2作・殺人考察(前):58分
第3作・痛覚残留   :56分
第4作・伽藍の洞   :50分
第5作・矛盾螺旋   :112分
第6作・忘却録音   :59分
第*作・Remix     :60分
第7作・殺人考察(後):119分
第8作?終章/
     空の境界
   :33分


一目瞭然とはこの事です!
ほとんどの作品が、《劇場公開時に》60分・1時間を超えていません。文字通り、「そんなバカな!」と言ってくれた相手に、鼻高々に見付けてやりたいところですが……これって、問題じゃありませんか?
だって、《劇場公開》作品ですよ?映画化アニメ作品ですよ?恐らくは劇場まで足を運び、1000円前後のチケットを購入してまで、見に来てくれる人達ですよ?
その観客に、1時間足らずのそれも最初の第1作、『俯瞰風景』などは49分で、実際は何も分から無い!全て次回に続くという、言ッちゃぁ~なんですが未完成作品?かと、疑いたくなる内容です。

もっとも、原作やこの作品のファンに言わせれば、それが「奈須きのこ作品だ!」という事で納得されるならば、良いのですが……!

次に、これらの公開作品を時系列順に、並べ替えたものがあります。


空の・俯瞰風景.jpg

劇場版「空の境界」 俯瞰風景 【通常版】 [DVD]

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空の・殺人・前.jpg

劇場版「空の境界」 殺人考察(前) 【通常版】 [DVD]

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空の・痛覚残留.jpg

劇場版「空の境界」 痛覚残留 【通常版】 [DVD]

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空の・伽藍の洞.jpg

劇場版 「空の境界」 伽藍の洞 【通常版】 [DVD]

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空の・矛盾螺旋.jpg

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空の・忘却録音.jpg

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空の・殺人・後.jpg

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空の境界・終章.jpg

劇場版 「空の境界」終章/空の境界 [DVD]

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  年     月       作品タイトル・出来事
1995年  3月 黒桐幹也が『両儀式(リョウギ・シキ)』に出会う。
       4月 式と幹也が高校に入学。
       9月 『劇場版第2作・殺人考察(前)』
1996年  2月 式が交通事故により昏睡状態となる。
1998年  3月 幹也が高校を卒業。
       4月 幹也が大学に入学。
       5月 幹也が蒼崎橙子に出会い、大学を中退。
       6月 『劇場版第4作・伽藍の洞』
       7月 『劇場版第3作・痛覚残留』
       8月 1998年8月 01_feline-August, 1998-
           未来福音 Mobius ning
       9月『劇場版第1作・俯瞰風景』
      10月1998年10月02_daylight-October,1998-
      11月『劇場版第5作・矛盾螺旋』
      12月1998年12月03_say grace-December,
                     1998-
1999年  1月『劇場版第6作・忘却録音』
       2月『劇場版第7作・/殺人考察(後)』
       3月『劇場版?第8作?終章/空の境界』
2010年   夏 未来福音・序 Mobius link



註:『未来福音』に関して
本作収録の『未来福音・序 Mobius link』は2010年現在、『空の境界』シリーズの中で最も未来を描いた作品である。
また、『未来福音 Mobius ring』は『空の境界』のプロット構想段階では存在したが、実際には収録されなかったエピソードが原案とのこと。




これを見るとよりハッキリとするのが、この劇場用アニメ・シリーズ空の境界』と言う映像作品をみた時に、《その中の1編を見ただけでは何も分から無い!》という、客観的な判断です。
特に時系列の入れ替えは、あの世界的大ヒット作にして、名作とも言える「スター・ウォーズ・シリーズ」という先例があるので、構わないのじゃないか?という意見がありますが、あれは完全に結果として成功したから可能だったというべきで、特に劇場公開次の第1作つまり現在では「エピソード4:新たなる希望」として知られる、この作品は完全に1話完結の形式を取っています。さすがにこの時点では、続編が作れるかどうか?
という、状態だったと思います(公開時のバージョンでは、現在のデジタル・リマスター版と違って、有名なジャバ・ザ・ハットが人間の役者だった!など、当時の撮影事情と後のCG映像加工技術の急激な進歩以前の、素朴さが残っています)。なおタイトルももちろん、最初は「スター・ウォーズ」のみで副題は在りませんでした。

さらに、当時のアメリカ映画界の常識では、「SFはB級映画で子供の見るもの」とされていて、その為制作映画会社からも、当時この映画だけを上映すべきではない!つまり何かと抱き合わせの、2本立てにすべきだ!!という意見が多かったそうです。
その結果、低予算と過密なスケジュールに追われて、入院までした監督のルーカスは、映画公開日には「怖くてアメリカ本土には居られずに、電話もTVも無いハワイの孤島に逃げ込んだ」という、有名なエピソードがあります。その彼を迎えに行ったのが、他ならぬスピルバーグであった事もまた、有名な話しです。
この事は、次の有名な「エピソード5:帝国の逆襲」のラスト・シーンが、明らかに「次回作に続く」だった事と比べると、非常に対照的です。しかし、この劇場用アニメ『空の境界・シリーズ』それとは、全く異質です。

これは単純に、作品の制作公開順が時系列順になっていない事だけではなく、作品の内容そのものが、時間経過や場面と場所の移動、そして何よりも現在の場面を見ている視点の違い!が、非常に極端です。
実際の原作は、西尾維新氏や京極夏彦氏の作品と同じく、まだ活字を気軽に読めた時から、文字通り「読めなかった」作品というより作家の1人です。まずこれは、誰が見ている視点で描かれているのかが、読み始めから躓きます。
その上、時間と場所が非常に曖昧で、その場面が何時のどこなのか……読み進まないと分から無いという、独特の構造はアニメ化された作品と同様です。
むしろアニメ化作品は、その原作の持ち味を損なわないように、敢えてアニメや映画の常識を無視して、時間と場面の入れ替えや、その画面を誰(どこ)の視点から描いているのか?などと言う事に囚われると、完全に作品を(物語を把握する事は最初に諦めておきます)見逃す結果になります。

この辺の顕著な例は、このシリーズの中でも長い上映時間の、第5作・矛盾螺旋に顕著です。
同様の場面の繰り返しや、極端な時間と場所の移動。そもそも時間の経過が、一定では無いという事が、物語世界の前提として、存在しています。こう言っては何ですが、基本的に最近いわゆる「ライト・ノベル」と呼ばれる作品を、原作としたアニメ作品が増えていますが、この物語作品や劇場作品の伝統であり基本。その成立は、古代ギリシアの時代にまで遡ると言われています。
いわゆる《三(3)一致の法則》が、ある意味で無視されている為に、作品が斬新であると同時に、内容が支離滅裂形式になっても、構わないという一種の風潮が、生まれているのでは無いかと思います。

「三一致」とは、劇作の基本中の基本である、《時間・場所・人物は、基本的に常に同じ時間と場所と人物を共有する》別に難しい事では、ありません。
日常では常識的に、行われている事です。つまり、同じ人が同じ時間に別々の場所に、同時に出現しない。例外的にSFやファンタジーでは、超能力とか魔法などで可能な場合もありますが、基本的には同じです。そして場所も、時間共に変化する。
同じ場所でも時間が経過すれば、春夏秋冬当然見た目も、登場する人々の服装や見た目も、変化するはずです。実は他にも細かいことが色々あるのですが、要するに日常的に自然に行える行為と、不自然な方法でしか成し遂げられない行為は、ハッキリと区別されるという事です。

よく言われることですが、5W1Hは何も報道やジャーナリズムの世界だけに、重要なことではありません。
何時・何処で・誰が・何を・どうしたか?をある意味で丹念に追い掛けて、描いて行くのが物語り本来の基本です。これはSFであっても、探偵小説であっても基本的には変わらない原則です。
そうであればこそ、言語の壁を超えて物語は、時代と場所を変えながらも語り継がれて来た!これは基本的に、言語や時代の壁を超えて人々が共通に抱き続ける、世界中で通用する暗黙の法則があるからこそ、可能なのだと言われています。

その三一致に法則と、5W1Hを基本的に無視するところから、もし現在の「ライト・ノベル」が入っているとしたら、それは現代の産んだ奇跡の新ジャンルか?
一時期の、単なる流行か?それはわかりません。ただ、今回の『空の境界』の原作者や他にあげたお二方のような作家は、それを承知の上で自分の手法として、それぞれの物語世界をまとめ上げる手腕と、実力をお持ちです。
それらは完全にアニメ化された時に、全ての作品が出揃ってから改めて物語り全体を見ると文字通り納得するしか在りません。しかし問題はその途中の作品を、1個の完結した作品として扱って良いモノかどうか?
大いに、疑問ではあります。


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カルディア

最近はOVAのように6話分割で映画上映するタイプもありますからね。
「センコロール」のように個人制作アニメも1000円で上映したりします。
30分モノですが私は見に行きました。
アニメにりよる映画館の使い方が変化してきているのは確かですね。
これらはすでに珍しい形ではなかったりします。
ちなみに「空(くう)」ではなく「空(から)」ですよ。

by カルディア (2011-11-18 02:39) 

HINAKA

HINAKAです。

カルディア様

こちらでは、お久しぶりです。
また丁寧な書き込みと、nice!を、ありがとうございます。そうです!「くう」ではなく「から」でした!!
慎んで、訂正させていただきます。

そうですか、最近の上映傾向ですか~。
どうも有料劇場用となると、納得行きかねる部分があります。もちろんOVAを、上映するというので在れば、その言葉の使い方自体に疑問は残りますが、納得するしか在りません。
しかし、最初から劇場用と銘を打って、副題まで付けた以上は上映時間の問題以前に、1つの作品としてのまとまりが、問われる気がします。

もちろん、それが今の風潮だという事で、片付けられるのならば良いのですが……。
スター・ウォーズ「帝国の逆襲」で、ラスト・シーンに唖然として「金返せ!」と心の中で叫んだ身としては、素直に納得する事は難しいモノがあります。もっとも、このシリーズはそれでもまだ、全6作(本当は7作?)を通して見れば、作品としては納得もできます。ただ、1作毎の上映時間がバラバラで、場合によっては2倍近い差があるというのは、どうにも商業作品としては承伏できない……気がします。

仰るような、個人製作の作品やある意味で、素人集団の半商業作品のような、《同人作品》で在ればそれはまた、別の価値観で見る事が出来るのですが……。
どちらにしても、映画館まで足を運んで見る人達と、無断配信動画を好きな場所で、タダで見る人達を同列には考えられません(自分の首を絞めていますが……)。映画作品自身と、映画に携わる人々自体が、もっと「現在の劇場用映画とは何か?」を、考えないと本当にタダ映画館の数が減り、興行収入が減って安易なビデオ作品や、配信動画しか作れなくなると、本当に邦画界はハリウッド映画界に飲み込まれて終わり!
と、いう気がします。

そもそも、早くにハリウッド映画がTVとの競合を避ける為に、TV用映画と劇場用映画の区別の付けた事の、先見性をこの場合は評価します。
有名なスピルバーグの初監督作品「激突」も、いわゆるTVムービー(TV用映画)で、新人監督や俳優の登竜門という意味も、大いに兼ねていました。基本的にハリウッドでは、TV作品も映画作品も、使う機材やスタジオは同じで、異なるとのは予算とスポンサーだと言います。
有名な刑事コロンボも、ハリウッド製(ロケが多いのですが)です。もっともその予算と規模(1時間モノ)を聞いた関係者は、「それじゃ日本では映画だ!」と言ったそうですから、根本が違うのかも知れません。

更に既に明確な通り、未だに「国際市場」では言語が日本語の為に、評価とは別の売り上げが苦戦している、ビデオ市場を支えているのが、コアなファン層のみだという、日本のビデオ販売方法自体に、問題があるとしか思えません。
よく、海外での海賊ビデオや複製ビデオの問題が取り上げられて、それぞれ該当国の取り締まりの緩さが指摘されます。確かにそれは国際法上、大きな問題だとは思いますが、つまり需要はある訳です。とすれば売り方や、作り方次第では当然オリジナルと海賊版や複製版との価格が、近くなれば誰もワザワザ画質や、内容保証の無い不法版ではなく、オリジナル版を購入やレンタルするでしょう。

もっともこの問題は、以前から続いている問題で、一朝一夕には解決できないのだとは思います。
しかし、常に日本国内しか向いていない、日本の映像界の在り方に、アニメも含めて大いに疑問があります。もはや日本国内だけで、制作費を捻出する事は不可能だという事は、明白です。
この問題に手を付けない限り、アニメも含めて日本の映像業界は、世界市場に、飲み込まれて終わる事でしょう。特に東京都の条例のように、「産業としてのアニメやマンガは奨励するが、作品としてのアニメやマンガは規制する。なお、実写は除く」などとやっていれば、それは文字通り自分で自分の首を絞めるも同然です。

とマァ、色々ありますが、例えば大作を細切れにして、販売するとか上映する場合にも、それを断って上映するので在れば、取り敢えず急場凌ぎにはなるかも知れません。

それでは、また。


by HINAKA (2011-11-18 16:37) 

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HINAKAは、あらゆる創作凌辱表現規制が、アニメマンガ等の他メディアへ普及する事を激しく危惧します!
凌辱行為の名の下、あらゆる性愛表現が規制出来る事は、自明の理です。汗が唾液が体液が飛び散る、ドロドロ・ベタベタした表現はダメで、爽やかに心地良く何事もなかったかのような、表現のみが許されるとしたら、それらは作り手に「嘘を作れ!嫌ならその場面は作るな!!」と命じているのと同じです。
作り手の自由を縛る……これは、日本が世界に誇る文化と、一大輸出産業を死滅させる秒読みと、なるでしょう。